外銀から戦コンに転職した僕のブログ

外資系投資銀行フロントオフィスを経て、外資系戦略コンサルティングファームで働いた僕が書く、業界の話とか学歴の話とか

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外銀外コン入社前の学生が準備できる3つのこととは何か?

投稿日:2016年11月17日 更新日:


僕は会社の中途採用の担当者をしている。
ちなみに、外資系コンサルティングファームでは人事部は基本的にスケジューリングや連絡のみを行う部隊であり、面接などは現場の社員が行う。
なので、コンサルタントである僕も中途採用には関わらざるを得ない(評価にも含まれている)

そして、その一環で内定者に対して引き留めなどの逃げられないようにするお仕事もよくしている。
特に僕は外資系投資銀行出身ということで、そっちから来る人やそっちとどちらにしようかと悩んでいる人などの引き留めにもよく加わる。

そんな中、先日ある中途採用内定者の方とのミーティングをセッティングされ「具体的な仕事のイメージを作りたい」とのオファーをもらった。
その希望に応え、非常に個別具体な日々の業務について色々とレクチャーしていったのだが、その最後に「では入社までのあいだに何を準備すればいいですか?」という質問が出た。

そこで自分の過去を振り返ってみて考えつつ答えてみたのだが、要は3つだな、と思った。

①構造化を学ぶ
コンサルタントの技術の真髄は構造化だと思う。
色々な複雑に絡み合った事象を構造化して、みんなが正しく物事を理解し、それにより意思決定や業務を清流化していくことだと思う。
そのために構造化を学ばなくてはならないし、そこが一般事業会社で働いているときと比べて最も大きくギャップのあるポイントだと感じる。
ということで、それをあらかじめ準備しておいたほうがいいんじゃないかと思い、それができうる本を推薦してみる。

1冊目
『イシューからはじめよ』
最初にコンサルタントになったときに「これがコンサルタントのすべてだから」と言われた本。確かにこれには意味がある。

2冊目
『考える技術・書く技術』
この本は外資系投資銀行に入社した時も、そのあと外資系戦略コンサルティングファームに移った時も、その両方で薦められた本である。書く技術と言っているが、結局ここで語られる”ピラミッド・ストラクチャー”を正しく理解し、実行できることが必要になってくるのである。

②自分のキャリアイメージを持つ
これまで何年も戦略コンサルティングファームで勤めてきた中で、多くの人を見送ってきた。その行先は色々。幸せなタイプと不幸せなタイプと、両方ある。残れたのにやめる人と残れなくてやめる人がいる。
そして、残れたのにやめる人の中で、不幸せなタイプの多くは”専門性がなくて不安”である。
これが起きるのは特に新卒でコンサルタントとなった人に多い。

と、いうのも最初の数年は色々な業界軸×機能軸でアサインされることが多く”ゼネラリスト”として育てられがちである。そして、毎日なんでもできるようにと懸命に仕事をこなしているうちにマネージャーレベルになる。そして、そのみんながそのレベルに近づいてくる時、色々できて何も特にできないのではないかと自分の専門性のなさを痛感しはじめる。
この大きな原因は”毎日なんでもできるようにと懸命に仕事をこなしている”だと感じる。

若手コンサルタントに話を聞くと「色々と仕事がくるのでなんでもできるようになろうと頑張ろう」という話が多く、何がやりたいのかと聞くと「特にないです」という話になりがちである。そもそもコンサルタントになる人間はこの業界!というものであったり、この業務!というものがないからコンサルタントになっている人も多い。そのため”やりたいことが特にない”のであるが、それを見つけないままに日々を乗りこなすことに必死になる。そしてはたと気づいたときに自分の専門性のなさに気付くのである。

そこで大切になるのは、自分のキャリアイメージを持つこと、もしくは常に意識して先を見据えていくことだと思う。何が特にやりたいと思えたか面白いと思えたのかを確認し、そういった仕事を多めにするようにプロジェクト戦略(どういったプロジェクトにアサインされるか)をマネジメントしなくてはいけないと思う。そして、その最初の目指す軸やその先の世界をあらかじめイメージし、その後も忘れないように意識を強くしておくようにすべきであろう。

個人的には将来自分が持っていたい軸を業界で2つと機能で2つもつことを僕は勧めている。自動車業界や電機業界というような業界軸とマーケティングや組織などの機能軸を選んでいくことで、自分はこれで食べていくということを考えなくてはいけないと思う。入社するときからそれを意識して、うまくプロジェクト戦略をとっていかなくてはいけないだろう。

③逃げる準備をする
それからもうひとつ。
これも心構えなのだが、大切なので追加。
入社後、常に逃げることを意識しておいてほしい。

正直、外銀でも外コンでも非常にメンタルに不調をきたす人が多いのである。
特に近年の若者は比率的には明らかに高かった。
もちろんこれは若者だからとかゆとりだからという風なものではなく、
むしろ僕が属していた会社の採用の仕方に問題があったのではないかと考えているので、
年齢的なものではないのかもしれないが。
ただ、会社の採用プロセス上のありかたとして、
単に優秀そうな学生を取る(メンタルなど精神性はあまり見ない)ために、
メンタルを崩す人が多くなっているのではないかと個人的には感じていた。
なので、会社に対して僕は常々、精神性も見るべきだと提案してきたし、
実際にそういった面も見るような形に、採用プロセスは改められた(声が届くこのフラットさは僕は好きだ)。

しかし、残念ながら論理的に優秀であり、そういった会社に入ったものの、
想像していた仕事と違っていたり、
クソな上司の下についてしまって、毎日朝から晩までその人と一緒にいなきゃいけなかったり(外銀にある)、
スコープがどんどん広がって仕事量が増え続けるプロジェクトに参加してしまったり(コンサルにある)、
そういう時にメンタルに不調をきたしそうな時があると思う。
そういう時に、その時の仕事にしがみつかないでほしい。
一度職場に合わなければ、戻っても大抵合わない。元に戻ってうまくいく可能性は低い。
なので、そういう場合には思い切って会社を変えた方がよい。
その時は他社に行くときに、色々悩んだけれど、、と言えば特に深く追求するファームはないように思う。
基本的には他社で結果を出せなかったからと言って、それが社風に合わないなどであれば、
社風を変えれば活躍する可能性があるとみんな思っている。
そもそも社員は、それぞれの会社に社風がある(ので、社風が理由の退社なら自社への転職もありだろう)と思っているので、
他社はXXという点で確かにクソだもんなーみたいなバイアスかかったことは思っているのである。
なので気にする必要はまったくない。
むしろ悪口とか愚痴とかを言うのではなく、社風が合わなかった、伝える理由はそれだけでいい。

以上の3つを意識して、コンサルティング業界、特に戦略コンサルティングファームに入る際には意識しておいてほしいと思う。

-コンサル

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