この前飲みに行ったアーティストの友人が全然儲からない…と呟いていた。
で、彼の所属するグループは曲を出せば一応オリコン10位以内には入るような人だが、それでも印税を放棄し、月給制を取っているとのことだった。その場では「ふーん、、そうかぁ。今日は俺がおごるよ…」くらいしか言えなかったが、興味深かったのでちょっと調べてみた。
すると、作詞作曲をしない彼の歌唱印税はほんの僅かであることがわかった。
確かにアーティスト自身はそれだけではなかなか儲からないし、原盤制作を自分でするしかないということになり、EXILEなどが自分で個人事務所を立ちあげたりするのだなということがよくわかった。
基本的には1-3%であるアーティスト印税をグループのメンバーで分担するシステムなので、1000円のCDシングルとすると10-30円をメンバーで分けることになる。ミリオンヒットを飛ばして100万枚売れても、たったの、たったの1000-3000万円にしかならないのだ。AKB48の中心メンバーだけ16人だとしても、ミリオン(100万枚)売ったとしても、1人60-190万円程度である。
作詞作曲をしろ!という話をよく聞くが、作詞作曲しておけば3%、これだけで乗っかってくるので、歌手並の分乗っかってくる。
そして、個人事務所ならば10%つまりミリオンで1億円はポーンと飛び込んでくる。
ラジオなどで声付きで流れれば歌手にも取り分はあるだろうが、カラオケは入らないだろうし…
CD不況でCD自体が売れないと言われる今、単純にCDで稼ぐ時代でないことは明白だろう。
コンサートやグッズなどから得られる利益の重要性がひしひしと感じられる。これについてはまた別の記事に記載しようと思う。
売上の配分は以下の通り。歌手分は非常に少ない
CD販売価格に対して、
①CDショップ取り分:30%
②CDプレス:10%
プラスチックケースやジャケット、ブックレットなどの製作費です。これはだいたい定価の6.5~15%くらい。
ここでは10%とする。
③著作権使用料:6%
レコード会社がJASRACに支払う著作権使用料は定価の6%。これは規定値。
これのさらに6%をJASRACが回収。残りを音楽出版社と作曲者、作詞者で分ける。
取り分は、新人のようなケースで音楽出版社(50%)、作曲者(25%)、作詞者(25%)が一般的。
④原盤印税:10%
原盤印税とは、CDの中身の音楽、つまりマスターテープを作った原盤制作者(レコード会社や原盤制作会社)に支払われる印税。
契約内容にもよるが、大体10%くらい。
⑤アーティスト印税:2%
アーティスト印税(歌唱印税)とは、アーティスト(バンドであればメンバー)が演奏を録音したことに対して支払われるもの。容器代を抜いた金額の1-3%が相場。
ここでは2%とする。
⑥レコード会社:残り。つまり42%。
ここから宣伝費やレコード会社の人件費が賄われる。